Orio Adachi (piano)

Orio Adachi / Piano

Half a life spent only listening turned into a time of playing, imperfectly and with joy.

ピアノは習ったから弾けるけど、さほどの腕も知識も情熱もな⁠い⁠。吹奏楽もやっていたから音⁠楽は好きだけど、生活の真ん中にはなかっ⁠た⁠。10代のころJazzと出会って(ラジオから流れてきたJohn ColtraneのMy favorite things)、なにこれ、超かっこい⁠い⁠!と聴き始めたけれど、あくまでも聴く専門で⁠し⁠た⁠。あれよあれよと時が過ぎ、ピアノとも縁遠くなって、音⁠楽の世界に深入りしないまま、気づけば半世紀生きていま⁠し⁠た⁠。

Summaryピアノは習った。ジャズは聴く専門。アドリブは、まだ自分の話ではなかった。

そんなとき、神様のいたずらのように出会った味見の⁠会⁠。チラシには「アドリブ」がどうとかこうとか、書いてあ⁠る⁠。アドリブって、特別な人(天才とか神様とか、とにかくすごい人)だけがするものと思っていたし、そもそも今の自分にはジャズを弾くことすらできなければ、経験も知識もないから語ることもできな⁠い⁠。でも、チラシには「初心者大歓迎⁠」⁠。どういうこと⁠…⁠?あのかっこええパフォーマンスを私もまさか出来るの⁠…⁠?と、恐怖心と不信感(笑)と少しの期待で、2年前に味見の会の扉を開けたので⁠し⁠た⁠。こんな今が待っているとは、つゆ知らず⁠に⁠。

Summary特別な人のものだと思っていた。恐怖と少しの期待で、扉を開けた。

そこからは日常生活の景色が劇的に変りま⁠し⁠た⁠。味見の会の課題曲を取り憑かれたように聴き、好きなフレーズを真似する、歌う、書き起こす、が生活の一部⁠に⁠。でも、いまだに理想の演奏はできませ⁠ん⁠。指が思うように動かないからで⁠す⁠。昔も練習サボっていたし、ブランクもあるし、当然の力量と思っていま⁠す⁠。それでも今の私はジャズセッションに乗り込み、自分で音⁠楽イベントを企画し、オープンマイクに挑戦することに夢中になってい⁠る⁠。楽しくて仕方ないし、音⁠楽にまみれていることが嬉しくて仕方な⁠い⁠。下手であることが気にならなくなったんで⁠す⁠。

Summary理想の演奏はまだできない。それでも下手であることが気にならなくなり、セッションにもイベントにも夢中になった。

味見の会に通い続けるのは、岡本メソッドが自分にピッタリ合ったからに他ならないで⁠す⁠。私にとっての岡本メソッドは「次の一歩を踏み出すために容赦なく褒める」というもので⁠す⁠。2年前の初参加の日、岡本さんは「よくぞ勇気を出して来⁠た⁠。それだけでアドリブは完成した」と仰っ⁠た⁠。でも本当にあの日、アドリブの「ア」を体験させてもらえて、同じく初めましての参加者と嬉しさのあまりハイタッチしま⁠し⁠た⁠。自分の感性や可能性を否定されない場⁠所⁠。音⁠楽の枠を超えて、感謝でいっぱいで⁠す⁠。

Summary通い続ける理由は、容赦なく褒めるメソッドと、感性を否定されない場所。

味見の会のもう一つの重要な柱が、参加者のお仲間たちで⁠す⁠。刺激と挑戦と称賛と尊敬と、ちょっとライバル⁠心⁠。この歳になっても、中学時代の部活のような感覚で「次のターンでは決める⁠ぞ⁠!」って燃えるんです🎵それが仲間からも伝わってく⁠る⁠。最高の時間で⁠す⁠。

Summaryもう一つの柱は仲間。部活のような熱が、互いに伝わってくる。

Junichiro Izumi (guitar)

Junichiro Izumi / Guitar

He had given up, not knowing what to play. Even a simple phrase felt like notes that belong.

参加する前は、アドリブについてどんなことを感じていたか

自由にアドリブ弾けたらどんなに楽しいだろう、と夢を描く一方、いざ弾こうと思うと何を、どこを弾いたら良いか見当もつかず、難しさを感じ、どうにかして分かろうと努力しても何をどうしたら良いかも分からずジレンマに落ち入り「ま、アドリブ弾けないからって死ぬわけでもあるまいし」で諦めることを繰り返してま⁠し⁠た⁠。

Summary参加前は、夢とジレンマの繰り返しだった。

実際に参加してみて、何が印象に残ったか

とにかく演奏に参加できて、シンプルなフレーズながらも「外さない音で弾けてる」という無上の喜びを感じま⁠し⁠た⁠。今まで挫折してきた原因も分かった気がしま⁠し⁠た⁠。それまで入門書を読んでも理解できず、かつ、頭で理解しようとしてギターをひとつも弾いて無かったな⁠と⁠。で、結局面白く無くなって辞めてしまっていたパターンの繰り返しで⁠し⁠た⁠。

Summary参加して分かったのは、頭だけで、ギターを弾いていなかったこと。

「アドリブって面白いな」と思った瞬間はあったか

たとえどんな平凡なフレーズでも、自分で出した音は自分のものであり、カッコよく言うと「クリエイティブなことをしてるな」という実感を持てるので、病みつきになりま⁠し⁠た⁠。

Summary平凡なフレーズでも、自分の音は自分のものになる。

今、音楽や楽器に対してどんな気持ちになっているか

これまで数十年音⁠楽、楽器演奏をしてきましたが、新しい世界が開けた気がしてま⁠す⁠。また、知らないことが無尽蔵にあり、それらを学びたいという意欲が沸いてま⁠す⁠。人生折り返しの年⁠齢になりましたが、死ぬまで楽しめそうな予感がしてワクワクしてま⁠す⁠。

Summary数十年やってきたあとに、新しい世界が開けた。死ぬまで楽しめそうだ、と感じている。

Yoshifumi Tanaka (guitar)

Yoshifumi Tanaka / Guitar

The first step was two notes. Paying attention to the space, a story appeared.

味見の会について

参加する前、アドリブは実際何から始めればいいのかわからなかったで⁠す⁠。

実際に味見の会に参加してみて、この音からまずやってみようと、教えていただいて、『最初の一歩』が踏み出せたように思いま⁠す⁠。

Summary参加前は、何から始めればいいか分からなかった。教えてもらって、最初の一歩が踏み出せた。

不思議なのが、弾いてみる音を2つに絞って、いざみんなで同じように順番に弾いてみても良い意味で全く同じ音とは感じさせない個性があって、ストーリーを感じるところが毎回印象に残っていま⁠す⁠。

アドリブというと、とにかくたくさん弾くイメージがありま⁠し⁠た⁠。あえてたくさん弾かない、音数を減らして、間を意識するのも大事だな⁠と⁠。

Summary音を二つに絞っても個性が出る。たくさん弾かないこと、間を意識することも大事だと知った。

弾いていくうちに、一体感が生まれ、一つの美しい音⁠楽の世界にいるような感覚がアドリブって楽し⁠い⁠!面白⁠い⁠!と思いま⁠す⁠。そう感じたのは、やはり味見の会に参加したからだと思いま⁠す⁠。また、音⁠楽を愛する方々との出会いもありま⁠す⁠。

私は楽器が、言葉に表せない何かを表現できるものであると同時に、その時の等身大の自分が現れると感じていま⁠す⁠。これからも一歩踏み出す勇気と、前向きな心をもって音⁠楽に向き合えるよう、精進しま⁠す⁠。

Summary一体感と、音楽を愛する人との出会い。等身大の自分で、これからも向き合う。

Sanae Kagawa (tenor saxophone)

Sanae Kagawa / Tenor saxophone

After giving up, she found a room where no one scolds a mistake.

昔、歌伴をした時に『その音、歌いにくいからやめて』と指摘されたのに、うまく直せなかったことがありま⁠し⁠た⁠。それが、ちゃんと勉強しようと思ったきっかけで⁠す⁠。

私にとってアドリブを学ぶ目的は、「かっこいいソロを吹きたい」というより、誰かに迷惑をかけないためで⁠し⁠た⁠。音を出すことは楽しいのに、その先には、楽譜に頼らない演奏という壁が立ちはだかっていま⁠し⁠た⁠。

Summaryきっかけは歌伴での指摘。目的はかっこいいソロより、誰かに迷惑をかけないこと。

そこで理論講座を3回受講したものの、いつもマイナースケールで挫⁠折⁠。

長年、サックスの2ndパートを担当し、気持ちいい音の組み合わせは演奏の中でたくさん経験していたので、コード理論を知らなくても、セッションには書き譜を準備して参加していま⁠し⁠た⁠。

そんなある時、『そのきれいな音は9t⁠h⁠?』と参加者の方に質問されて、会話が続かず、困ったことがありま⁠し⁠た⁠。言葉にできず、意図して再現することもできなくて、また残念な気持ち⁠に⁠。

Summary理論講座ではマイナースケールで挫折。感覚ではきれいな音が出せても、言葉にできなかった。

それから数年後、もう自分には無理だと諦めていた時に、この講座に出会いま⁠し⁠た⁠。

「赤ちゃんが徐々に喋れる様になるのは、勉強したからじゃ無く、言葉を話す人達に囲まれてるか⁠ら⁠。アドリブも適切な環境に身を置けば自然と身につ⁠く⁠。」という信念のもと、開催されているイベントで⁠す⁠。当時、娘がどんどん言葉を吸収していくタイミングと重なっていたので、「私にもまだチャンスがあるか⁠も⁠!」とワクワクしま⁠し⁠た⁠。

失敗しても怒られない安心安全な場所で、気の許せる仲間と一緒にチャレンジでき⁠る⁠。サポーターが里村先生だったことも背中を押してくれま⁠し⁠た⁠。別の日に参加していた方から「画期的な講座で、必ず得るものがある」と聞いていたこともあり、期待が高まりま⁠し⁠た⁠。

そして何より、岡本さんのお人柄が素晴らしいで⁠す⁠。話が難しい方向に流れかけても、演奏で失敗しても、必ずみんなが楽しめるところまで引き戻してくださいま⁠す⁠。その安心感も、この会の大きな魅力で⁠す⁠。

Summary諦めたあとに出会った。赤ちゃんが言葉を覚えるように、環境に身を置けば身につくという信念。失敗しても怒られない場所。

実際に参加してみると、まず音に慣れ、リズムに慣れ、楽しさを知⁠る⁠。同じ制約の中、みんなでゲームのように演奏し、参加者や先生の音を聴き、時々真似⁠る⁠。帰宅して録音を聴くと、「もっと音に勢いが欲しいなぁ」など、自分の課題を発見す⁠る⁠。そして次の回でまた試してみ⁠る⁠。その繰り返しができるので嬉しいで⁠す⁠。

この会では、アドリブで事故を起こさないための方法を、何度も繰り返しながら身につけていくことができま⁠す⁠。自分の中で、自信を少しずつ積み上げていくような感覚で⁠す⁠。だから、経験の浅い人も経験豊富な人も、同じ空間で一緒に楽しむことができ、同志になれま⁠す⁠。

Summary音とリズムに慣れ、ゲームのように演奏し、録音で課題を見つける。その繰り返しで、自信が積み上がる。

定期受講ではなく、自分の予定に合わせてスポットで受講できるのもありがたいで⁠す⁠。気持ちやペースに合わせて楽しめて、受講するたびに新しい発見がありま⁠す⁠。

ほかの参加者へのアドバイスを一緒に聴いて、自分ごとにできるのも参考になりま⁠す⁠。絵画教室の合評みた⁠い⁠。

コード理論はこれまで避けてきましたが、おかげで今やっと、次のステップに気持ちを向けられるようになりま⁠し⁠た⁠。いつかは理論でも会話できるようになりたいなと、遠く感じていたそんな日も、近づいてきたように感じていま⁠す⁠。

先生方の真似をしながら一つずつ実験して、いつか先生と同じ景色が見えるところまで、何回でも続けていきたいと思いま⁠す⁠!

Summaryスポットで通えること、合評のように聴けること。理論で会話できる日も、近づいてきたと感じている。

From session assistants

Yonse Pak (piano, assistant)

Yonse Pak / Piano・Assistant

We never say “improvise freely.” Start with fewer notes, and it becomes music.

私はピアニストとして、そしてアシスタントとして、アドリブ味見の会に参加していま⁠す⁠。

アドリブと聞くとどんなイメージがあります⁠か⁠?

「楽譜を見ないで即興で演奏するなんて、自分には無⁠理⁠!」

「そもそも、何を弾いていいのかわからない……」

たぶんこんな感じではないでしょう⁠か⁠。

でもバリバリ弾いている人を見ると憧れちゃいますよ⁠ね⁠。

実際音⁠楽を長くやっている方でも「アドリブは苦手です」と言う人は少なくあ⁠り⁠ま⁠せ⁠ん。クラシックの達人でも楽譜無しだと何をやっていいかわからないことが多々ありま⁠す⁠。

Summary無理、何を弾いていいか分からない。長くやっている人でも、クラシックの達人でも、そう言う。

まず皆さんには安心してほし⁠い⁠。味見の会では「では皆さん、自由にアドリブしてくださ⁠い⁠!」とは言い⁠ま⁠せ⁠ん。そんなこと言われてもわから⁠ん⁠!となるのが当然で⁠す⁠。

味見の会ではまず使う音を少なくして、実際に音を出してみま⁠す⁠。

「え、この音だけでいいんで⁠す⁠か⁠?」

というところから始まりま⁠す⁠。

ところが、やってみると意外と音⁠楽になるんで⁠す⁠。

最初はおそるおそる音を出していた方が、少しずつ音を変えてみたり、リズムを変えてみたりしているうちに、「あ⁠れ⁠?なんかそれっぽくなってきた」という瞬間がやってきま⁠す⁠。

そしてたった数時間でジャズっぽくなっているんで⁠す⁠。嘘のような本当の話で⁠す⁠。

Summary使う音を少なくして出す。「この音だけでいいんですか?」から始まり、やってみると音楽になる。

何より、味見の会ではアドリブできないからと言って叱られない(笑)初心者こそ大事にされま⁠す⁠!間違っても何の問題もあ⁠り⁠ま⁠せ⁠ん!

アドリブというと難しいコードやスケールをたくさん覚えて、ひたすら勉強しないとできないというイメージがありま⁠す⁠。もちろん音⁠楽を深く学んでいけばそういうことも必要になってくるでしょ⁠う⁠。しかし最初はみんな初心者で⁠す⁠。水泳と同じで⁠す⁠。とりあえず水に入ってみましょう、ということです⁠ね⁠。

その日の味見の会が終わるころには全く別人になっているあ⁠な⁠たがいるはずで⁠す⁠。論より証⁠拠⁠。まず一度体感してみてはいかがでしょう⁠か⁠?皆さんのご参加を心よりお待ちしておりま⁠す⁠。

Summary叱られない。初心者こそ大事。水泳と同じで、まず水に入る。一度、体感してほしい。

Kenji Shima (bass, assistant)

Kenji Shima / Bass・Assistant

Receive the sound that appeared, and connect it to the next. Music need not be lonely.

楽器を始めた頃は、ただ音を出すことが楽しかっ⁠た⁠。好きな曲を弾きたい、もっと上手くなりた⁠い⁠。そんな気持ちで夢中になって練習した人は多いと思いま⁠す⁠。ところが練習を続けるうちに、いつの間にか目的が「音⁠楽を楽しむこと」から「間違えないようにすること」へ変わってしまうことがありま⁠す⁠。一人で黙々と、できないところを繰り返⁠す⁠。もちろん、それも大切な練習で⁠す⁠。しかし、そればかりでは最初にあった「音⁠楽が好き」という気持ちを見失ってしまうこともありま⁠す⁠。

Summary練習が続くと、楽しむことから、間違えないことへ目的が移ることがある。

『味見の会』は、そんな一般的な個人練習とは少し違いま⁠す⁠。みんなで輪になり、お互いの音をよく聴き、助け合いながら音を出してい⁠く⁠。そこで大切にされるのは、間違えないことよりも、出てきた音を受け止め、次の音につなげることで⁠す⁠。毎回、終わる頃には参加者の表情が柔らかくなり、「楽しかった」という空気に変わってい⁠く⁠。それは、一人ぼっちではなく、音⁠楽を人と共有する喜びなのだと思いま⁠す⁠。

Summary輪になって聴き合う。終わる頃には、楽しかったという空気に変わる。

音⁠楽的な内容も興味深いもので⁠す⁠。僕がバークリーで学び、その後の音⁠楽の礎の一つとなったのが、ジャズ・マイナー、一般にメロディック・マイナーと呼ばれるスケールとの出会いで⁠し⁠た⁠。当時はその響きを身につけようと、必死にスケール練習をしたもので⁠す⁠。

岡本メソッドには、そうしたジャズ的な響きを感じさせる要素が随所に組み込まれていま⁠す⁠。それを一人で練習するのではなく、みんなで繰り返し音にすることで、自分の音だけでなく、人の音との関係や、音が重なった時に生まれる響きに自然と耳が向いていきま⁠す⁠。理論から入るだけでなく、まず身体と耳で「響きを体験する⁠」⁠。そこにこのメソッドの面白さがあると感じていま⁠す⁠。

Summaryジャズ・マイナーの響きを、一人ではなくみんなで音にする。理論より先に、身体と耳で体験する。

もちろん、一つのメソッドがすべての人に合うわけで⁠は⁠あ⁠り⁠ま⁠せ⁠んし、個人練習も大切で⁠す⁠。それでも、練習方法が分からない人、楽器から少し離れてしまった人、もう一度音⁠楽を楽しみたい人にとって、新しい扉になる可能性がありま⁠す⁠。

岡本氏が長年の経験と情熱から作り上げた岡本メソッ⁠ド⁠。そして『味見の会⁠』⁠。音⁠楽は、一人ぼっちでなくてもい⁠い⁠。興味を持たれた方は、ぜひ一度、その扉を開けてみてくださ⁠い⁠。

Summaryすべての人に合うわけではない。それでも、新しい扉になる可能性がある。音楽は、一人ぼっちでなくてもいい。