一趣旨
現代の日本社会では、音楽文化が一部の才能や商業的成功に依存し、人の心の豊かさを育むという役割や、次世代に持続的に受け継がれる仕組みが脆弱になっています。
また、長年にわたって音楽教育や演奏活動を支えてきた世代が高齢化する一方で、若い世代に音を使ったコミュニケーションや、音を通した自己理解、体系的な知識や技術を伝える場が不足し、音楽を通じて社会とつながる機会も減少しています。
行政主導の音楽イベントや文化事業も各地で行われていますが、実際の現場運営ではスケジュール管理や人材も不十分であり、もとより本質的な音を使ったコミュニケーションやアドリブなどの即興体験よりも、単発的な催事に終始する傾向があります。
生成AIなどが発展し、玉石混交の情報や創作物が氾濫する時代だからこそ、音楽が「言葉では表現できないものを表現する」機能をもつことに立ち返り、音楽を通したコミュニケーション体験や心の豊かさを育むしくみを社会に根づかせるための、新しいモデルが必要とされています。
私たちは、こうした課題に対し、音楽を通じた「創造性や感性、表現力を育てるプログラム」を広めるという理念を掲げ、京都を拠点に活動を進めてきました。
心と体に作用する『機能』を持った音楽に研究や、教育イベント「アドリブ味見の会」の開催など、誰もが音楽を通じた交流や創造に触れ、アーティストや演奏家、講師、修練者、初学者などが直接つながることのできる、新しい場をつくっています。
これらは単なるアンサンブルやセッションではなく、体験を通して音楽の基礎や技能を学び、創造性や感性、表現力を育てる仕組みです。こうした取り組みを通じて、音楽を「聴く・演奏する・伝える」という三方の関係が共に循環する、新たなシステムとして発展・拡大させていきます。
また、教育制度の普及やイベント・ワークショップの実施、アーティスト・演奏家支援、デジタル配信を通じてノウハウを社会に還元し、行政からの業務委託や文化施設の企画運営など、行政や企業、教育機関と協働して公共性の高い活動も担っていきます。
このような活動をより広く、堅実に実施するためにも、NPO法人格を取得し、社会的信用を高め、広く市民・企業・教育機関との連携を促進します。あわせてGoogle等の企業が提供するNPO向け制度も積極的に活用し、京都発の音楽文化を全国・世界へと発信していきます。
私たちが理想とするのは、個人の才能や立場に依存せず、世代を超えて音楽の価値を共有できる社会です。「人と人、地域と世界をつなぐ音楽共創プラットフォーム」を京都から生み出し、次世代へと受け継いでいくことを使命として、法人化後は、教育・演奏活動・企画・運営・発信を行政や市民と協働しながら、音楽を通じて人と社会をつなぐ未来の創造を実現していきます。
二申請に至る までの経過
本法人の設立に先立ち、発起人および関係メンバーは、音楽創作、教育普及、アーティスト交流等の分野において継続的に活動を行ってきました。
器楽を中心とした即興演奏ワークショップやセッションをこれまでに20回以上実施し、各回20名程度、延べ400名以上が参加するなど、幅広い層に対して音楽による表現機会を提供してきました。
また、「アドリブ味見の会」における岡本メソッドを活用した講座を150回以上開催し、延べ1,200名以上の受講実績を有しています。初心者でも参加可能な音楽教育プログラムとして、継続的に実施してきました。
さらに、528Hz音楽や音響表現に関する制作・発表を4回以上実施し、延べ400名以上が参加するなど、音楽の新たな活用に関する実践的な取り組みを行ってきました。加えて、アーティスト交流や共同制作の機会を設け、多くの関係者が参加するなど、継続的なネットワーク形成を進めてきました。
これらの活動は継続的に実施されており、音楽創作、教育普及および文化振興の分野において、一定の実績を有しています。
令和八年四月二十日
特定非営利活動法人 京都未来音楽研究所
設立代表者 岡本 博文